ニホンジカに脚切りをされてしまった。きちんと捕獲出来ていれば22000円の補助金が支払われるので、手痛い失敗である。シカの方は脚が痛かっただろうが。
…などとブラックな冗談を言っていると批難されそうだが、今回は現場の罠周辺がほとんど踏み荒らされていなかったので、比較的短時間で脚を切られてしまったものと思われる。残された脚からするに、中型の個体と思われる。
別の記事でも書いたが、私の師匠は脚切りを避けるにはワイヤーの長さを短くするのが良いと信じており、私もそれに倣っている。しかし今回、脚切りが発生した笠松式の罠 (私の罠ではない)は押しバネを使っており、このタイプは押しバネの長さ分だけワイヤーが長くなりがちである。また、くくり罠のワイヤーは、捕獲後に交換が必要になる場合があるのだが、痛むのは先端部だけでせいぜい10cm程度であるため、撚り戻しから先のワイヤーを長めにとっておいて、傷んだ先端だけを切って再度使う、というのが効率的であるように思われる。しかしここで撚り戻しから先のワイヤーを長くとり過ぎると、ワイヤーを短くして設置するということができなくなる (撚り戻しは装着が義務付けられているので、これが機能しないように設置することは、避けるべきと考えられる)。その結果として、今回の脚切りが発生した可能性もある。
とはいえ、今回脚切りが起こった罠よりワイヤーを長めに設置していても、脚を切られないことの方が多いので、脚切りの発生は偶然性が高いと言える。先日、私の所属する猟友会とは別のエリアでくくり罠を設置している箇所を幾つか見る機会があったのだが、いずれもワイヤーを短くしようとする意識は全く感じられない設置方法だった。話を聞くと長年わな猟をしている人が設置したとのことだったので、きっとこれでもシカが捕獲できているのだろう。