おれのあまごつり

アマゴ釣りは楽しいダイエットである。

猟期が終わる少し前 (私の住む地域は、猪と鹿が対象の延長期間が3/15まで)に解禁になるのが、渓流釣りである。私は2ヶ所の河川で遊漁券 (年券)を購入しており、合計で20回弱/年の釣行に出る。渓流釣りはまだまだ下手なのだが、山歩きをするのは得意なので、それなりに釣れて運動になる。そんな私のやり方を紹介しようと思う。

世の中には、「〇〇の正しいやり方」などと称して方法論を説いてくるコンテンツが多いが、私が紹介するのはあくまで「私の」やり方である。正しいとか間違っているとかそういったことを主張するつもりはない。魚釣りなどというものは各人が思い思いに好きな方法でやれば良く、内水面漁業調整規則などに違反していなければ自由なのである。

[場所]
前述のように2つの河川で遊漁券を購入している。2河川とも、発眼卵/稚魚放流と成魚放流を行っており、一方はアマゴのみ、もう一方はアマゴに加えてイワナとニジマスも放流している。解禁日直前、あるいは解禁後に行う成魚放流は、各河川でエリアを限って (上流/下流あるいは本流/支流で区分など)行われているが、私はなるべくそれ以外のエリアで釣りをするようにしている。放流直後の魚は簡単に釣れすぎるし、移動せずとも一箇所で釣れてしまうため運動にならない。なにより、養殖した魚を川に放して直後に釣ったものを食べる、というのが釈然としないのだ。
解禁後の成魚放流は、本流の下流域 (アマゴが居付ける範囲での下流側)で行われることが多いので、私の釣場は主に支流、上流側となる。

[タイミング]
解禁後の成魚放流を別にすれば、魚の密度が一番高いのは解禁直後であるので、まず解禁後が狙い目になる。私が行く2河川は、解禁日が2週間ほどずれていることが多いので、それぞれの解禁日から2週間の合わせて1ヶ月ほどは、仕事がなくて天候が悪くなければ、基本的には渓流へ釣りに行く。
解禁直後から1ヶ月間くらいまでは、良い餌が手に入りやすいのと、タカハヤやカワムツといった餌取りの動きが鈍いため、餌釣りがメインである。
4月中旬以降はルアーやテンカラに良い季節となるが、小鮎釣りも始まってくるので、渓流へ行く頻度は落ちる。増水してささ濁りなど、好条件が重なったときだけ行くことが多い。雨の日はアマゴを釣る難易度がぐっと落ちるので、小雨が降っているような時には、小鮎よりアマゴである (小鮎も増水すれば釣りやすいが、砂を噛む。アマゴは内臓もエラも取るので問題ない)。風の弱い日に開けた場所で釣るのにはテンカラ、風があったり毛鉤を振れるほど開けていない場所ではルアーという選択になる。
夏になると、日中に海や琵琶湖 (流入河川の下流域を含む)で釣りをするには暑すぎる、という感じになるので、涼しさを求めてアマゴ釣りに行くことも多い。

[装備]
私は解禁直後も盛夏も、チェストハイウェーダーを履いている。なるべく深いところに入れる方が、根がかりを回収しやすく、移動の際も安全なルートを選択しやすいように思う。
服装は季節に合わせて大分変わるが、移動の多い釣りなので、軽く動けることを重視する。現場まではダウンコートを着ていっても、釣りをするときには脱ぐことになる。
荷物は、肩紐にも小物入れの付いた軽量バックパックに、釣具から昼食の用意、釣った魚まで全て入れている。ただし、解禁直後に多数釣るつもりのときは、別にビクを持っていくこともある。

[道具]
雨や雪の降る可能性がある時以外は、基本的にスーパーカブに乗っていくので、荷物は極力少なくする。
スーパーカブの荷台にはウェーダーを載せてゴム紐で縛り、フロントのカゴには保冷剤を入れたソフトクーラーを入れる。他の荷物はバックパックに入れて行く。

釣具は以下のようなものを使う。

[A] 餌釣り

竿: 5.4mか6.3mの延竿。私の行く河川では、これより長いものは必要ない。渓流 (とくに源流域)では竿を折ったり傷つけたりする危険性が高いため、そんなに値段の高いものは使わない。中古で買うか、新品でも安価なものを選ぶ。竿を選ぶときに気にしたほうがいいのは、仕舞寸である。自分の使っているバックパックに収まるか、ちょっと飛び出すくらいの長さ以下のものが良い。あとは同じくらいの値段なら、軽いものを選んだほうが楽である。万一のトラブルに備え、予備の竿をバックパックに入れて持っていくことも多い。予備の竿との組み合わせは、その日行く場所に合わせて、5.4mと6.3mを1本ずつのこともあれば、5.4mを2本のこともある。エサ釣り用の竿1本にテンカラ用の竿1本という組み合わせもある。以前、釣場に着いた直後に、1本しか持ってきてない竿を折った経験があるので、竿にトラブルが発生して釣りが完全にできなくなることを防ぐためである。

糸: 0.4〜0.6号のナイロンラインを、穂先から針まで通しで使う。私は基本的に抜き上げるのと、障害物の多い源流域での釣りが多いため、これより細い糸を使う気にはなれない。

目印: 毛糸を結んで作る。私は、蛍光オレンジ、蛍光イエロー、蛍光オレンジの順で3つ付けることが多い。複数付いていたほうが、糸の傾きなどを捉えやすく、目印の位置を頻繁に変更せずとも水深の違いに対応できるという利点がある。ただし多くしすぎると、風の影響を受けやすいなどの問題が生じる。

錘: ガン玉を使う。ポイントに合わせてこまめに錘のサイズを変えるのが釣果を上げるコツ、と解説されることが多いが、私は1日の釣行の中で錘を交換することはほとんど無い。釣り始める段階で、今から入る川の平均的な深さと流れの速さ、そして当日の水量と風の強さを考慮して、大体こんなものだろうと検討を付けて錘をセットしたら、基本的にそのまま釣り続けるのである。錘を調整する時間をかけるくらいなら、どんどん上流へ移動して、手持ちの仕掛けがマッチする場所を攻めていこう、という考えである。

針: 特に拘りがあるわけではないが、がまかつのナノアマゴを使うことが多い。針の大きさは、餌の大きさに合わせて決めている。5号を一番使っていると思う。

仕掛けは最低3セット用意して、絡まったり切れたりしたら、仕掛けごとすぐに交換できるようにしておく。特にシーズン初期は寒いので、現場で仕掛けを組むのは大変である。仕掛けの全長が多少短くなる程度で済むならば、針や錘を付け替えるなどして、同じ糸で釣りを続けることもある。

餌: オニチョロ・キンパクを釣行の前日かそれより前に採取しておき、湿らせた水苔と共にケースに入れ、冷蔵庫に入れて保存しておく。私の感覚では、半日 (5〜6時間)の釣りをするのに30匹くらいは必要である。川虫は釣りながら現地調達することも可能ではあるが、一般に上流へ行くほど川虫の量は少なく成長も遅いので、特にシーズン初期は、数を集めやすい下流で予め餌を採取しておくのが効率的である。

[釣り方]
アマゴ・ヤマメの餌釣りでは、仕掛けの流し方がどうとか、アタリのとり方はこうとか、難しい理論を説明されることが多いが、源流エリアではあまり気にする必要は無いと思っている。
私が大事だと思うのは、良いタイミングで釣りに出かけ、良い餌を用意して、それを魚が居るところに、魚に警戒心を与えないように放り込むこと。これさえできれば、アマゴは釣れる。狙い目のタイミングと良い餌については上述の通り。釣りをしていると、移動中や竿を振った際に、魚が逃げていくのを観察できるので、何度も同じ場所で釣りをするうちに、魚が居る場所が把握でき、魚が逃げにくい移動の仕方や、釣る際の立ち位置を習得できる。
あとは、各ポイントの水深がある程度分かっている方が釣りやすい。水深は見ただけでは分からないが、一度水の中を歩いてみると大体把握できる。

[B] ルアー釣り

竿: 4ftのトラウトロッド (スピニング)を使う。私はスプーンの早巻きしかしないので、繊細な操作性は必要ない。餌釣りと同じく、渓流では竿を折る危険性が大なので、高価なものを使わず、予備を用意しておくのが良いと思っている。同じ竿を2本持っていき、予備は車やバイクのところに置いておくことが多い。

リール: 現在は”22 サハラ C2000SHG”というリールを主に使い、予備として”17 サハラ C2000S”を持っていっている。1000番のリールを使っていたときもあったが、スプール径が大きい方がライントラブルが少ないように思うので、2000番を使うようになった。早巻きをするのと、手前でヒットすることがほぼ無いので、ハイギアの方が回収が早くて楽である。ある程度滑らかに動作しさえすれば、安価なモデルで十分だと考えている。

糸: 4lbのナイロンラインを主に使っている。色は蛍光色が見やすくて良い。リールには75m巻いて使用することが多い。

ルアー: 2.8gのスプーン (シングルフック)を主に使用している。私の行く釣り場では、これより軽いスプーンだと早巻きできず、十分な飛距離を出すこともできない。フックがついていない側のスプリットリングは外して、極小型 (#000)のスナップを使用している。気分でルアーを変えるときに、スナップの方が便利だからである。ラインとスナップの結束には、パロマーノットを使う。

[釣り方]
ほとんどのヒットは、各ポイントでの1投目で発生するので、正確なキャストが重要になってくる。スプーンの場合 (他のルアーでも同様であるが)、ラインがフックに絡んでしまうことも多いので、サミングしてラインの出方を調整するのも大切だと思っている。
水深にもよるが、基本には着水と同時に巻き始め、ルアーが水面から飛び出さないギリギリぐらいの速度で巻く。
多くのヒットはリールのハンドル2~3回転ぐらいまでに生じる。ヒットが出やすいと自分が考える距離を過ぎたら、あとはただ高速で回収してしまう。
同じラインを引いて2度目、3度目にヒットするということも無くは無いが、同じ場所で何度も投げるより、どんどん移動して新しいポイントに投げ入れていく方が効率的だと思っている。
延竿を使った餌釣りと比較したルアーの利点は、生き餌を用意する必要が無いことと、より遠い場所から低い弾道で仕掛けを放り込めることにある。逆に欠点としては、(スプーンの早巻きの場合)ルアーをある程度泳がす距離が稼げるポイントしか狙いにくい、ということだと考えている。
スプーンの早巻きというのは、高活性の魚を簡単に釣る方法だと私は考えているので、餌釣りよりも釣行のタイミングが重要になってくると思う。

まふらーつくろう

2022年1月29日に、ニホンジカ♀1頭の捕獲があった (写真上1枚)。罠は”しまるくんL”で、ワイヤーは左前脚の主蹄と副蹄の間に掛かっていた。丁度いいサイズの♀だったが、発見時に死亡してしまっていたため、食用にすることはできなかった。

2022年2月1日には、キツネ1頭の捕獲があった (写真上から2.3枚目)。罠は”M式トラップ”で、ワイヤーは左前脚に掛かっていた。キツネの捕獲は初めてである。キツネは、各所の自動撮影カメラに頻繁に写っているので、比較的個体数密度は高いと思われる。私が罠を掛けている場所ではほぼ見られなくなった、ノウサギやヤマドリ等の天敵でもあるので、少し数が減るほうが良いと思っている。キツネの肉は食べないが、解体して毛皮を鞣してみることにした。罠本体や罠の周辺にはキツネの匂いが充満しており、シカやイノシシといった本来の対象にどのような影響があるかは不明だが、罠は入念に洗って、この場所にはしばらく罠を掛けないことにした。

2022年2月5日に、ニホンジカ♂1頭の捕獲があった (写真上から4枚目)。罠は製品名不明の笠松式で、ワイヤーは左前脚の副蹄より上に掛かっていた。発見したのが日没の少し前と遅くなってしまったため、暗い中での捕獲となった。罠に掛かっているのが大型の♂であったり、足場の悪い場所であったりする場合は、暗い中で無理をすると危ないので、死亡してしまう可能性があったとしても翌日に行うことが推奨されるが、ある程度慣れていれば、角のない子鹿くらいは問題なく処理できる。

2022年2月25日には、ニホンジカ♀2頭の捕獲があった。1頭目 (写真下から2枚目)は、罠が”M式トラップ”で、ワイヤーは右前脚の副蹄より上に掛かっていた。こちらの方が後から発見したのだが、ワイヤーの掛かった脚が折れており、生きてはいるものの立ち上がれない状態であったため、早めの処置が必要であると判断した。2頭目 (写真下から1枚目)は、罠が製品名不明の笠松式で、ワイヤーは左前脚の副蹄より上に掛かっていた。こちらは立ってピンピンしていたので、後から処理を行った。

すっぱいぶどう

2022年1月18日にニホンジカ♂1頭の捕獲があった (写真上2枚)。罠は”M式トラップ”で、ワイヤーは右前脚の主蹄と副蹄の間に掛かっていた。

”M式トラップに限ったことではないが、押しバネをつかった罠の欠点には、ワイヤーの長さが長いということが挙げられる。角のない小型のシカであれば、シカが自由に動ける範囲内に立ち入っても、大きな被害を被る可能性は低いが、イノシシや大型の♂シカが掛かった場合は、注意が必要である。

2022年1月21日にはニホンジカ♀1頭の捕獲があった (写真上から3,4,5枚目)。罠は”しまるくん”で、ワイヤーは右前脚の副蹄より上に掛かってた。

この個体には既に胎児がおり、これまで取り出した胎児の中では、一番の小ささではないかと思う。

この日は、前日から朝にかけて降った雪が積もっており、斜面を引っ張って下ろすのは楽だったが、放血した場所や引き摺った跡には、白い雪の上に真っ赤な血が残るので、遠くから見てもかなり目立ってしまう。もっとも、雪のせいでこの付近に立ち入る人は殆どいないと思うのだが、雪がなければ通りかかる人も多少はいる場所なので、少し気になってしまう。

2022年1月24日には、イノシシ♂1頭の捕獲を確認した (写真下2枚)。罠は”しまるくん”で、ワイヤーは左前脚の主蹄と副蹄の間に掛かっていた。100kgは軽くある大物であったが、発見時に死亡しており、残念ながら食用に肉を取ることができなかった。

この罠には発信機が取り付けてあったのだが、罠と発信機を繋いでいたワイヤーが切れており、発信機が作動していなかった。発見が遅れた所為で死亡したのかと思ったが、イノシシはシカと比べても、簡単には死なないイメージである。実際、私の罠にかかったイノシシで、発見時に死んでいたのはこの個体が最初である。しかも大変不思議なことに、イノシシサークルが形成されていない。普通、イノシシはどんなに小さな個体でも、括り罠にかかるとイノシシサークルを形成するので、殆ど掘り返した跡が無いというのは、通常では考えられない。肉付きはいいので病死とも考えにくいし、目立った外傷はなく、周辺でイノシシを半矢にしたという話も聞かない。原因は不明だが、罠に掛かってから短期間で死亡したと思われ、見廻りを毎日行っていたとしても、発見時に死亡していた可能性がある。

今期のイノシシは、当歳の1頭しか捕獲できていなかったので、追加が欲しいところであったが、この時期の♂イノシシは肉の臭みが強い上に、このサイズでは相当に硬いことが予想される。立派な牙と奨励金を得られたということで、仕方ないと思うしかない。