おれのさよりつり

サヨリは抜き上げるのがとにかく楽しい。

私の家から海までは車で2時間ほどかかるので、サヨリのような小魚を100匹釣ったくらいでは、ガソリン代の元もなかなか取れないのであるが、それでも秋になると行ってしまうのがサヨリ釣りである。いかにお金を掛けず効率よくサヨリを釣るか、ということを考えて私が実践している釣りを紹介したいと思う。

世の中には、「〇〇の正しいやり方」などと称して方法論を説いてくるコンテンツが多いが、私が紹介するのはあくまで「私の」やり方である。正しいとか間違っているとかそういったことを主張するつもりはない。魚釣りなどというものは各人が思い思いに好きな方法でやれば良いのである。

[場所]
私が行く日本海側の港は、家から車で1時間半〜2時間かかる距離である。当たり前だが、サヨリが回遊してくる場所でないと釣ることはできないので、サヨリが回ってきているかどうかの情報を収集するのが大事である。

[タイミング]
私は延竿で軽い仕掛けを使うので、風が強い日は釣りにくい。釣れる場所には人が集中しがちなので、平日など人が少ない日に行くのが良い。小雨が降っていてもサヨリは釣れるが、釣り人は少なくなるので、微妙な天気ならば土日でも行くことがある。常にサヨリがいるような場所では、明るい時間帯であればずっと釣れるので、朝6時くらいから釣り始め、昼頃に納竿することが多い。昼から夕方でも勿論いいのだが、日の出前(4〜6時)と日没後(18〜20時)では、明らかに日の出前のほうが交通量が少ないので、午前中に釣りをする方が、移動時間もガソリン代も減らすことができる。

[装備]
シーズン中でも長袖Tシャツ1枚で汗をかく暑い日もあれば、ライトダウンにレインウェアを着て釣る肌寒い日もある。基本的に動かない釣りなので、時間帯や急な天候の変化に合わせて、快適な状態で釣りが出来るよう、調整できる服装を用意しておくのがよい。下は作業ズボンにレインウェア、足には長靴を履いていることが多い。どうしても暑いときはレインウェアを脱いで釣りをすることもあるが、そうするとサヨリの鱗がズボンについて汚れてしまう。

[道具]
基本的に軽トラで行くので、持っていく道具の量に制約は無い。大きなバケツには海水を入れておき、手を洗ったり釣ったサヨリを一時的にそこに入れておくのに使う。小さなバケツには寄せ餌の糠を入れておき、大きなバケツに入れた海水を混ぜながら撒く。基本的には座って釣るので、折りたたみ椅子も持っていく。

釣具は以下のようなものを使う。

竿: 4.5mか5.4mの延竿。釣場とサヨリの寄り具合によるが、私の行く場所では5.4mが使いやすい。リール竿を使っても釣れるが、手返しが悪くなるので、延竿で届く範囲に魚がいるならリール竿はお勧めしない。調子は硬調の方が良いと思う。サヨリがかかれば一気に抜き上げることになるので、ぐにゃぐにゃした竿ではやり難かろう。ブランドの高価な竿を使う必要性は無く、中古品でも全く問題ない。

道糸: 1.5号程度の安いナイロンラインを使っている。手返しを良くするには、道糸の長さを適切に調整しておくことが重要である。最初は[竿の長さ]-[仕掛けの長さ]で取っておいて、少しずつ詰めていくのが良いと思う。道糸の先には、小型のヨリモドシ (自動ハリス止めタイプが良い)を付けておく。

浮き: 色の違う蛍光シモリウキを2つ、竹串を細く削ったもので栓をし止めている。針とヨリモドシ以外のオモリは付けないので、シモリウキは2つとも水面に浮いた状態になる。風があって仕掛けを前方へ飛ばしにくい場合は飛ばし浮きを使うこともあるが、水面に仕掛けを落としたときにサヨリの群れが散らないようにするには、なるべく軽くて小さいものを使うのが良い。サヨリのアタリは、多少の潮流がある中で、浮きが横方向へ移動するのを見やすくするために、シモリウキを複数付けている。下の浮きはヨリモドシのすぐ上、浮き同士の間隔は7,8cmぐらいである。

仕掛け: 道糸についたヨリモドシの先は、ハリス長を10〜20cmほどとって針を1本付けるだけである。自動ハリス止めを使っている場合は、ハリスに結びコブを作ってそれを引っ掛けるようにして止める。浮きをヨリモドシのすぐ上に付けているので、ハリス長≒ウキ下長となるが、これが水面からサヨリのタナまでの長さより長いと、より下層にいるアジやグレに餌を喰われやすくなる。ハリスの太さは0.6~0.8号が良いだろう。ハリス付きでない針を使う場合は、当然ながら針に適合する太さの糸を使う。

撒き餌: 最初のうちはアミエビと糠を1:2くらいで混ぜたものを使っていたのだが、近くで釣っていた常連さんに、「なんて勿体ないことをしているんだ」と言われてしまった。サヨリは糠 (無料で手に入る)だけでも十分寄せることができるので、アミエビを混ぜる必要はないということである。そう言われて私も糠だけでやってみたが、確かに糠だけで十分である。

付け餌: アミエビを使う。コマセ用に売られている冷凍ブロックを使う場合は、針につけて身が崩れないものを選定する必要ある。挿し餌用のアミエビも売っており、こちらの方が餌付けはしやすい。

[基本の釣り方]
まずは、撒き餌を使ってサヨリの群れを寄せる。サヨリは水面直下を泳いでいるので、居れば姿が見えるし、水面に波が立つ。サヨリが寄っているのを確認できたら、仕掛けを投入するのだが、群れの真ん中に落とすと魚が散ってしまうので、群れの進行方向か脇に落としてやるのが良いと思う。
餌付けは、アミエビの頭からでも尻尾からでもいいが、針先が隠れるように通して刺す。チョンがけでも喰うときは喰うが、見切られたり、餌だけ取られたりする可能性が高まるように思うので、多少時間がかかっても丁寧にやるようにしている。
私の観察した限りでは、サヨリは餌の近くに来ると一旦止まって (あるいは泳ぐスピードを落とし)喰うか判断し、口に入れてからゆっくり泳ぎ出す。この時、浮きは少しピクピクと浮き沈みした後に、横方向へ走ることとなる。サヨリのアタリで、浮きが下方向に消し込むことは稀である (消し込む時は小型のアジやグレ、ヒイラギであることが多い)。針のサイズと魚のサイズのバランスにも依るが、浮きが横方向へ移動する前、その場で小さく浮き沈みしている時が最初のアワセ時である。これが分かりにくい場合は、浮きが横方向に動いた段階でアワセることになるが、魚に対して針が小さいと、この時点では既に針が飲み込まれていることが多く、取り外すのに手間取ることになる。
アワセたら即抜き上げて、魚をキャッチする。サヨリの口は固いので、糸が弛むと簡単にバラしてしまう。針を外したサヨリは一旦、海水を入れたバケツに放り込み、ある程度溜まったらまとめて保冷バックに入れるようにしている。こうすると、保冷バックを開ける回数が減るので、保冷力が失われにくい。針を飲み込まれた場合は、サヨリの頭を折ってエラの部分を開き、針を外すようにしている。私はサヨリのユニークな形状を愛でるので、針を飲み込まれたもの以外は、内臓だけ抜いて頭を付けたまま塩焼きにするのを好む。頭を折って取り除いたものは、開いて背骨を取り、天ぷらにすることが多い。

[撒き餌について]
撒き餌の仕方というのがサヨリ釣りの肝の一つで、サヨリの群れを自分の前に留めておけるかが数釣りの鍵となる。撒き餌が少な過ぎたり間隔が空き過ぎれば、サヨリの群れがどっかへ行ってしまうと言うのが想像しやすいが、だからと言って沢山撒けばいいというものでもない。加えて、撒き餌の位置やバラけ具合も考慮する必要がある。サヨリ釣りで困ることの一つが、仕掛けをボラに切られることである。撒き餌なしで餌 (アミエビ1匹)のついた針を水中に入れても、ボラが食いつくことは殆ど無いようだが、撒き餌として入れた糠には凄いスピードでやってきて吸い込んでいく。そのため、仕掛けの針を撒き餌の煙幕の中に投入してしまうと、針も一緒にボラが吸い込んでしまうことがある。撒き餌の中心から外れた場所に仕掛けを投入するのが、ボラを釣ってしまわないためのコツである。また、糠を団子状の塊にして投入してしまうと、その塊ごとボラに食べられてしまうので、撒き餌の効果が薄くなるような気がしている。撒き餌はパラパラの状態にして、ある程度広範囲にバラけるように打つのが良い。

[手返しを良くする工夫]
数を釣ろうと思ったら、まずリール竿ではなく延竿を使うべきだと思う。サヨリが手前に寄る場所なのに、リール竿で遠くに仕掛けを投げて釣ろうとする人がいるが、これでは効率が悪い。アタリが分かりにくいからアワセも遅くなるし、引き寄せて来る間にバレる可能性も高くなる。
抜き上げた後、私は浮きと針の間のハリスを手で持ち、サヨリを脚の間に挟んで押さえつけるようにしている。釣れる度にトングで掴んで針を外す人もいるが、それでは時間の無駄である。
針とハリスは、何種類か持っておくと状況に合わせて調整できる。サヨリが喰って針に掛かるのであれば、針は大きくハリスは太い方が、飲まれたり切れたりするトラブルも少なく、手返しは良くなる。しかし、状況に依っては、餌の近くにサヨリが来ているのに、喰わない、あるいは針掛かりしない、ということがある。そういうときは、小さい針、細いハリスに変えてやると、釣れるようになる場合がある。時間帯やサヨリの大きさにより、最適な針やハリスが変わるのだと思われる。
釣場の高さにもよるが、基本的には立って釣る方が、水中にいるサヨリの姿を確認しやすく、サヨリが餌を食べた瞬間を目で見てアワセることもできる。他方、座って釣ると水中の様子は見難いが、取り込みや餌付けはスムーズに行える。サヨリの群れが大きく、入れ喰いのときは座って釣るほうが効率がよく、小さい群れを追いかけながら釣るような場合には立って釣るほうが釣果は上がると思う。
餌のアミエビはとにかく針持ちが悪いので、浮きにアタリが出ないまま、餌だけ取られることも多い。餌のついていない針を水中に入れていても釣ることは出来ないので、ある程度のタイミングで仕掛けを引き上げ、餌がちゃんと付いているか確認することがタイムロスを減らすことになる。私の感覚では、サヨリの群れが餌の近くを通り過ぎたら、アタリが無くても引き上げたほうがいいと思っている。

おれのこあゆつり

これは遊漁であっても、遊びではない。

私にとって小鮎釣りというのは、遊びというよりは仕事の一種である。いかにお金を掛けず効率よく小鮎を釣るか、ということを考えて私が実践している釣りを紹介したいと思う。

世の中には、「〇〇の正しいやり方」などと称して方法論を説いてくるコンテンツが多いが、私が紹介するのはあくまで「私の」やり方である。正しいとか間違っているとかそういったことを主張するつもりはない。魚釣りなどというものは各人が思い思いに好きな方法でやれば良く、内水面漁業調整規則などに違反していなければ自由なのである。

[場所]
琵琶湖に注ぐ、漁業権の設定されていない幾つかの小規模河川が、私の主な釣場である。私が行くのはどれも自宅からは30~40分で行ける場所だ。峠を越えて行くので多少負荷がかかるが、タンク容量4Lのスーパーカブで3往復はできるので、ガソリン代は1往復あたり200円以下である。もっと小鮎の遡上が多い川もあるかと思うが、遠いと気軽に釣りに行けないし、遊漁料の必要な川は最初から候補に挙がらない。
シーズン初期は、小鮎が水深のある所に溜まっているので、その場所で釣りができるかが釣果を決めると言っても過言ではない。小さな川では小鮎の溜まる場所は限られているので、そういった場所を把握しておくのが大事である。瀬で釣れるようになってきたら、ある程度の数が釣れる場所というのは一気に増えてくるが、その場合でも釣れる小鮎の大きさは、同じ河川のちょっとした場所の違いで随分変わるように思う。

[タイミング]
これは河川の条件によって全然違うと思うが、私の行く川では、まとまった雨が降って増水してから1,2日後が良いように思う。渇水が続いて遡上が減ると、河川の中にいる小鮎の絶対数も少ないし、水位が下がった状態では小鮎の活性も低く、魚の姿が見えてもほとんど喰ってこないということもある。増水直後は上流から流れてくる草や枝などのゴミが多く、釣りにならないことがあるのと、小鮎のエラに砂利を噛んでいることがあり、そうなると食べるときに頭を落とさないといけなくなる。
時間帯はやはり朝夕が良いと思う。私は夕方から行くことが多いが、ウキが見えなくなるくらいまで竿を振っていても、釣れるときは釣れる。逆に、日差しが強く水中で針がキラキラしているときの方が釣れると感じるときもある。

[装備]
私は下が作業ズボンに長靴、上は長袖Tシャツに気温に応じてレインウェアやライトダウン、といった服装が主である。シーズン初期は薄着では震えるほど寒い時もあるので、調整できるようにしておくのがよい。逆に夏の昼間は暑く日差しも強いので、帽子やタオル、日焼け止めなどもあったほうがよい。移動時に浅瀬を渡ることも多いので、少し長めの長靴を履いておくほうが楽である。根掛かりや対岸の草に仕掛けが絡まったときなども、長靴を履いていれば外しに行けることが多い。夏になればサンダルでもよいとは思うが、私はサンダリストではないので殆ど履かない。

[道具]
殆どの場合、スーパーカブに乗って行くので、荷物は極力少なくする。
リュックの中には竿や仕掛け、撒き餌などいわゆる釣具を入れておく。カブの荷台には、保冷剤を入れたソフトタイプの保冷バッグと折りたたみ椅子を載せ、紐で縛って留める。それと小型の蓋付きバケツをハンドル下の荷掛けフックにかけて持っていく。以上が大まなか荷物である。

釣具は以下のようなものを使う。

竿: 3.6mか4.5mの延竿。大きな河川や湖畔で釣りをするのであれば、もっと長い延竿やリール竿を使うのがよいかも知れないが、私の行く小規模河川では4.5mあれば困ることはない。小鮎釣りではとにかく竿を操作し続けるので、なるべく軽いほうが良く、短い竿に利点がある。3mより短い竿でも釣れないことはないと思うが、ある程度は魚との距離を取ったほうが警戒心を与えないと思うし、あまり竿が短いと仕掛けを流せる距離も短くなるので、3.6mぐらいの竿が使いやすいと感じている。調子は硬調の方が良いと思う。立ち位置によっては流れに逆らって10cm以上の小鮎2匹 (スレ掛かりしていたりすると更に抵抗が大きい)を抜き上げる必要があるので、あまりグニャグニャの竿では手間取るだろう。これらの要件を満たしていれば、ブランドの高価な竿を使う必要性は無く、中古品でも全く問題ない。

道糸: 1.5号の安いナイロンラインを使っている。あまりに撚れてきたら交換するが、10釣行に1回くらいのことである。手返しを良くするには、道糸の長さを適切に調整しておくことが重要である。最初は[竿の長さ]-[仕掛けの長さ]で取っておいて、少しずつ詰めていくのが良いと思う。小鮎が1,2匹掛かった状態で引き抜いて、竿を持っているのとは逆の手で上手く魚あるいは仕掛けの一部をキャッチできる長さにしてやると、取り込みがスムーズに行なえる。竿の曲がり具合や釣れる小鮎の大きさにもよるので、一概に竿尻から仕掛けの先が何cmということは言えない。道糸の先には、小型のヨリモドシを付けておき、仕掛けをすぐに交換できるようにしている。

浮き: 蛍光玉ウキの6号~8号、たまに10号を使っている。浅場の小鮎釣りでは、ウキにかかる水の抵抗で仕掛けを流すので、流れに合わせてウキの大きさを変えられるよう、何種類か持っておくと良い。普通のゴム管で直接道糸にセットする。

仕掛け: 私は通販で入手しやすいOWNERの「小鮎パールシルバー3本」の2.5号という仕掛けを主に使っている。流れの緩い深場では、5~6本針の仕掛けを使うことも稀にある。小鮎のシーズン直前やシーズン中は、通販では品薄や高値になることもあるので、シーズンオフのうちに買い溜めておくのが良い。「小鮎パールシルバー3本」は3本針仕掛けが2セットで300円弱と安い。根がかりの少ない場所なら、1つの仕掛けで半日使い続けれられるが、そのうち枝ハリスが撚れてくるのと、針先もだんだん甘くなる(気がする)ので、釣行毎には取り替えるつもりでストックしておくと良い。仕掛けの両端にスナップがついているので、片方を道糸の先につけたヨリモドシに、もう片方をラセンにつける。

ラセン: OWNERの「マキ餌ラセン」26mmというのを使っている。がまかつの「ねりえラセン」も買ったことがあるが、少なくとも底ズル式にはOWNERのやつのほうが使いやすいと感じている。ラセンのヨリモドシが付いていない方には、適当なサイズのガン玉を打っておく。あまりに渇水で水の流れが弱いときにはガン玉を付けないこともあるが、そうすると小鮎が掛かって暴れたときに仕掛けが絡みやすい。その日の水流に合わせ、仕掛けがゆっくり流れ、なおかつウキが水中に没しないよう、このラセンにつけるガン玉とウキのサイズで調整を行う。

撒き餌: 私はシラスと削り粉、それに細目パン粉を混ぜたものを使う。きちんと量ってはいないが、概ねシラスが全量の1/10、削り粉とパン粉は半々くらいになるように混ぜている。私はいずれも業務スーパーで購入するが、シラスは冷凍のものを買うので、1シーズン分以上をまとめ買いしておけば、保存がきくのでシーズン途中に買い足す必要がない。釣行前にまず冷凍シラスを食品用保存パックに入れ、袋の外から押してある程度すりつぶしたら、削り粉とパン粉を入れ均一な混合物を作っておく。現地に着いたらその混合物をバケツに入れ、川の水を入れて練る。この時大事なのは、持ってきた混合物を一気に全量入れないことである。水を入れ過ぎて弛くなったときに救いようがない。ラセンに付けて流した時、2~3回流す間にバラけるくらいの固さに練るのが良いと思う。残った餌は、水を入れて練ったものと、水を混ぜていないものを別々にして、保存パックにいれ、帰宅後に冷凍庫へ入れておく。こうすれば余った餌を無駄にすることはなく、次回は冷凍したまま持っていけば、釣場に着くころには少し溶けて使える状態になっている。

[基本の釣り方]
ウキ下の長さを調節し、ウキ先行でラセンが川底を摺るようにして流す。水中のラインと水面の確度は45度以下が好ましい。浅い瀬を流して釣る場合はウキ下をなるべく短くする。この状態にすると、仕掛けの針がラセンから出た撒き餌の弾幕を潜るので、小鮎が餌と間違えて針に喰い付く状態を作れる。
流す距離は長くても5m以下である。長い距離を流しても、小鮎を散らし根がかりのリスクが上がるだけで、効率は上がらないように思う。釣り始めは、少しずつ流すラインを変えながら流し、アタリの出やすいラインや位置を見極めたら、集中的にそこを流すようにする。
仕掛けの投入時から、ウキが下流側に来るよう着水させるとライントラブルは少ないが、水深があって表層の流れが強いような場所を流すときは、ウキを上流側に着水させると、スムーズに仕掛けを底に到達させることができる。
撒き餌は、常にラセンにつけておく必要はない。活性が高い状態では、撒き餌を入れずとも小鮎はパール針に喰い付く。私の場合は、何回か流しても喰わなければ、景気付に撒き餌を入れるような意識である。ラセンに撒き餌を付けるときも、なるべく少しずつバラけるようにするのがコツである。シラス、削り粉、パン粉はいずれも人間が食べられる食物であり、特にシラスは安いものではないので、なるべく少ない撒き餌で多くの小鮎を釣るようにするのが大事である。
合わせは、ウキが流れに逆らって沈み込んだらすぐに行うが、強い合わせは全く必要なく、軽くラインを張って聞き合わせする程度で良い。魚がかかっているのを確認したら、基本的には引き抜くが、抵抗が大きい時 (複数匹掛かっている時、あるいはスレ掛かりの時)は、水中に入れたまま引き寄せることもある。
特に浅瀬ではアタリがウキに出ないときもあるが、針に掛かった小鮎が反転したときに水中でキラッと光るのが見える場合があり、そういった場合もは早めに仕掛けを引き上げるくらいのつもりで糸を張ることもある。
基本的には、3本針仕掛けを使っていても、一度に釣るのは1匹でよいという意識で、2匹3匹と同時に掛かるのを待つということはしない。複数匹かかっても仕掛けが絡まったり取り込みで失敗する可能性が高まる分、効率は良くならないと思うからだ。私の場合、3本針仕掛けで100匹釣ってダブルが4,5回、トリプルはほぼ0である。
釣れたコアユは、すぐに保冷バッグに入れた食品用保存パックに入れている。川にビクを半分沈めておいて、そこに投げ込む人も多いが、それだと水際に座る必要がある。食品用保存パックに小鮎が溜まってきたら、一旦中の小鮎を川の水ですすぎ、パックの口を閉じて保冷バッグの底に入れ、新たなパックを用意しそこに入れるようにする。小鮎を川の水で洗うのは、釣り上げたときについた砂や、手に付いた撒き餌が小鮎を掴んだときに付いてしまうので、それを洗い流すためである。

[ニゴイ・ハス対策]
小鮎釣りをしていると、小鮎を喰いに来ているニゴイやハスが、針にかかることがある。私の使う仕掛けの枝ハリスは0.4号なので、ニゴイあるいは大きめのハスを抜き上げるには厳しいものがある。多くの場合は、針が鱗にかかっているだけなので、竿の溜を効かせて耐えてやればそのうち鱗が外れて、仕掛けは無傷で回収できる。このとき竿は立てて、なるべく道糸や仕掛けが川底や障害物と擦れないようにする。稀にがっつりスレ掛かりしていて外れない場合は、流れに逆らわないように下流側の岸に引き寄せ、引きずり上げるようにする。これらを意識していても、半日で2,3回、枝ハリスを切られることもあり、ニゴイとハスは小鮎釣りには厄介な存在である。仕掛けが切られた際、3本針が2本針になっただけであれば、もったいないのでそのまま使い続けるが、1本針になってしまうとさすがに効率が悪そうなので、新品に交換するようにしている。私の場合、ハスを釣りあげたら持って帰って食べるが、ニゴイは食べないので逃がしてやる。場所や時期によると、ニゴイとハスがうじゃうじゃいる所もあるが、それでも小鮎は釣れる。

[マナー的なこと]
小鮎は撒き餌で寄せて釣るものなので、それを散らされると困ってしまう。私が釣りをしていても、すぐ近くでジャバジャバと川を渡られたり、投網を投げられたりすることもあるが、まぁそれでもしばらくすればまた釣れ出すので、我慢するしかない。こちらも金を払って釣りをしているわけではなく、向こうも内水面漁業調整規則には違反していないのだから。私は半分自由人で平日でも釣りに行けるので、釣り人が多い土日にはあまり行かないようにしている。私が他人の釣っている近くをどうしても渡りたいとき、あるいは近くで竿を出したいときは、なるべく一声かけるようにしている。釣れる場所だからと後から無言で入ってきて、仕掛けが絡まったりしようものなら、互いに気分が悪くなるものである。

[小鮎の処理・調理]
持って帰った小鮎はすぐに腹を出してやるのが良いが、数が多く処理しきれないときは、ボウルに水を張って小鮎が完全に浸るようにした状態で冷蔵庫に入れておく。腹を出すときは、極小型のハサミを使って肛門から刃をいれ、エラの近くまでまっすぐ切り、指を入れて内臓を掻き出す。そのあとはサイズで選別し、適当な数ずつ食品用保存パックにいれていく。
私の食べ方は、小型のものは天麩羅、中~大型は甘露煮がほとんどで、特に大型のものは塩焼きにすることもある。他人にあげるときは、天麩羅ができる人には腹を抜いて生か冷凍したものを、天麩羅ができない人には甘露煮に加工してから渡すことが多い。