ごびょうでわかる

鳴らし木私が勝手に「鳴らし木」と呼んでいるものについて書こうと思う。

足括り罠を設置する際、普通はワイヤーの端を立木の幹か根に結わえ付ける。樹木というのは偉大なもので、樹種や土壌にもよるが、幹で直径7,8cm、根なら直径3cmもあれば、シカやイノシシの引っ張りに、十分耐える強度を持っている。罠を仕掛ける場所を決めるときには、ワイヤーを結わえ付けられる木が近くにあることが重要なので、条件の良い木を探すことになるのだが、ただ強度があって罠の設置場所から近いというだけでなく、「ある程度細い常緑広葉樹」に結んでおくと、見回り時に利点がある。動物が罠に掛かると、木が激しく揺れて枝葉が鳴るので、離れた場所からでも分かりやすいのだ。「常緑広葉樹」と書いたのは、通常猟期が冬なのでその時期でも葉が落ちていないものが適しているという点と、針葉樹の場合は植林された木の可能性があるので一般に雑木である広葉樹の方が良いという点、を考慮したものである。

左の写真は私が実際に「鳴らし木」として利用している木で、これまで2匹のシカを掛けた場所であるが、非常に分かりやすく揺れる。もちろん罠に掛かった動物が死んだり弱ったりして木が揺れない場合もあるので、木が鳴っていないからといって罠の状態がはっきり見えるところまで行かなくてよいということにはならないが、近くまで足を運ぶ頻度を下げたり、あるいは捕獲があった場合に荷物を取りに戻る手間を少なくできる、という利点はある。

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