ことしのわなすう

猟期が始まって3週間以上経つが、現時点で私の捕獲は檻で獲ったシカ1匹のみ。去年のこの時期には、既にシカ2頭とイノシシ1頭を括り罠で獲っていた (+檻でシカ1頭)。しかも稼働している罠の数は去年より多いのに、である。悲しい……。

猟期開始から現時点までの罠設置状況を記してみたいと思う。

猟期開始以前より、有害鳥獣捕獲で檻2つと括り罠5つを稼働させていた。

猟期初日 (11/15)は、朝7時半に出発し、括り罠5つと小型の檻2つ (中型動物用)を設置。
3日目 (11/17)に、括り罠3つを設置
4日目 (11/18)に、括り罠4つを設置
しばらく括り罠17個 (狩猟12+有害5)でやっていたが、全然捕獲がないので、更に追加。
12/6には、括り罠4つを設置。これで括り罠21個。
12/7と12/10に括り罠1つずつ設置、これで括り罠23個である。

というわけで、現在は括り罠23個に大型檻2つ、それに中型檻2つが私の名義で設置されている。法律上、一人が同時に設置できる罠の数は30までなので、もう限界が近い。私が設置している罠の数としては、これまでで最も多い。というか、私の持っている罠は全て投入済みなので、これ以上入れようと思ったら買い足すことになる。

複数の罠設置場所で、イノシシが近くを通っている痕跡が出始めているので、焦らずともそのうち掛かるとは思うのだが、猟期開始初期でこれだけ捕獲が少ないと先が思いやられる。

けいぞくはちから

これは古い考えというか、平等の原則から外れる意見であるが、狩猟においては、やはり数を獲っている人が偉い、と見なされる。

いくら偉そうに狩猟の技法を語ったところで、累積の捕獲数・出動数が少なければ、何ら説得力がない。

あるいは長年の経験があっても、最近ほとんど出猟していないとなれば、正当な主張をしても押し負けてしまう。

猟師であり続けるためには、当然ながら獲物を撮り続けていなければならない。山に入り続けていなければならないのである。

罠猟の場合、免許をとっても1,2回の猟期を経ただけで辞めてしまう、あるいはほとんど出動が無くなってしまう人が一定数いる。シーズン中に1匹や2匹獲って満足という人もいるだろうが、それだと技術はなかなか向上していかない。たくさん罠をかけて、毎日見廻って、解体処理の経験を積み重ねていけば、下手であっても下手なりに素早くできるようになったり、色々なことに気付けるようになるものである。

はらがみちては

罠の見廻りに出かける際、私はなるべく満腹状態を避けるようにしている。見廻ったら捕獲があって処理に時間がかかる場合もあるので、勿論ある程度は食べておくのだが、腹いっぱい食べて満たされた状態で出発するのは良くないと考えている。

人間は腹が満ちていると、食物に対する貪欲さが失われるからだ。

罠猟をしていると、設置してある罠の調整や再設置が必要になる場面が多々ある。空ハジキをしていたり、風雨のせいでワイヤーが露出していたりする場合であるが、こんなときに、例えば「このあと済ませたい用事があるから、今日は放置しといて今度直そう」とか、「昨日雨降ったばかりで泥々だから作業しにくいし、少し乾いてからやろう」などと考えて、1日あるいは2,3日、捕獲の可能性が低い(無い)状態で放置するということは、結果として罠あたりの捕獲効率を下げ、捕獲数を減らす結果となる。

罠の技術 (設置場所の選定や、設置方法)は一長一短で進歩するわけではないので、罠での捕獲数を増やそうと思ったら、とにかく”まめに”やることが大事である。そんなの当たり前じゃないかと思う人もいるだろうが、手持ちの罠 (今現在、私は20個所持)を全て投入し、きちんと見廻り、必要があればすぐ調整や再設置を行う、というのは結構大変なことである。

その努力度合いを左右する1つの要因として、私は見廻り時の腹の満たされ具合があると感じているのである。

新たに肉を手に入れたい、という強い欲求があれば、少しばかり面倒に感じる時でも、精力的に罠の追加をしたり調整をする原動力になる。

同じことは冷凍庫の満たされ具合にも言える。冷凍庫が肉で満ちてしまうと、肉を手に入れたいという欲求どころか、これ以上増えては困るというマイナスの思考が働くので、理想的なのは肉が溜まったらすぐ他人にあげて (交換して)しまい、常に冷凍庫に空きをつくっておくことである。