今回調理するのは、先日獲れたニホンジカ (♂)のロース肉、約330g。一旦冷凍したものを、冷蔵庫でゆっくり解凍し、半解凍になった状態です。この状態だと、包丁でも薄切りにするのが楽です。ただし肉を押さえる手が物凄く冷えるので、布巾か何かを被せて押さえるといいかも知れません。肉色は濃い赤ですが、適切に血抜きされた個体です。
包丁で厚さ7~8mmの薄切りにします。おそらく肉の繊維方向と垂直に切るのが吉です。解体してブロック肉にしたときに取り除ききれなかった筋や薄皮を、ここで丁寧に取ります。あとは軽く包丁の背で叩いて、塩・胡椒を振りました。
肉は別の容器に入れておいて、一緒に炒める野菜を切ります。今回は九条ネギとニラです。冷蔵庫にあった中から適当に選んだだけです。葉野菜やモヤシでも全く問題ありません。
加熱したフライパンにオリーブ油をたっぷり引き、薄切りにしたシカ肉を投入します。この厚さなら、表面の色が変わった段階で食べられるはずなので、一通り赤いところがなくなるよう菜箸で裏返したりしながら炒めます。
表面の赤部分が全体の10%程度になったら、先ほど切っておいた野菜を投入し、気持ち野菜を下側に入れる感じで回して炒め、シカの焼肉が完成です。
食べてみると、仄かに独特の香りがする以外は全くクセが無く、美味しいです。また肉質は柔らかく、噛みきれないなどということはありません。もちろん、個体や季節、また部位によっては固かったり味にクセがあったりする場合もありますが、今回調理した肉は少なくとも季節と部位が良いものだったので、美味しく頂けました。何人かの知り合いにも食べてもらいましたが、いたって好評でした。