めじるしだいじ

山の中で位置を記憶するというのは、そう簡単なことではない。しかし足括り罠の設置場所については、「この獣道のこの位置に設置して、ワイヤーはこの木に結ぶ」といった具合に、正確な場所を覚えておく必要がある。

また罠の見廻り時には、少し離れたところから動物が罠にかかっていないか確認することが多々あるが、あまり特徴的な地形でなかったり、植物が生い茂っていたりすると、遠目からでは罠の位置が分かりにくいことがある。

そんな時のため、私は標識テープを使って目印を付けている。この標識テープは、樹木テープあるいはプロットテープなどとも呼ばれるもので、野外調査で広く用いられている。普通のビニールテープと異なり粘着性は無く、手で引きちぎれるのが特徴である。また伸縮性があるので、木の枝に結ぶのが容易である。私は大学の研究室で1度使われたテープを拝借して再利用しているので、どこのメーカーのテープかははっきりしないが、いくつかのサイトを見てみると、幅30mmのテープが50m1巻で500円程度と、それほど高価な品ではない。

このテープを、罠の近くにある木の枝に結んで垂らしておくことで、目印にすることができる。また必要に応じて、罠の位置まで行くときに林道から入る場所にも標を付けておくと迷わない。

ちなみに、全ての標識テープがそうというわけではないが、私が使っているものは生分解性の素材で出来ているため、森林内のゴミを増やすという心配は少ない。

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