きせきのかかり

2018/02/13に、有害鳥獣駆除を行っているところで♂と♀を1頭ずつ、2頭を捕獲した。

♂は比較的大型で、罠は”しまるくん”、ワイヤーは左前脚の主蹄と副蹄の間に掛かっていた (写真上2つ)。

♀は小型で、罠は”だらずわな”、そしてこいつのワイヤーはなんと左前脚の主蹄の間に掛かっていた (写真下2つ)。こんなワイヤーの掛かり方は初めてである。この♀は発見時に死亡していたが、周囲を踏み荒らした形跡が殆ど無いため、罠が弾いたことに驚いて飛び上がった後、ワイヤーに引っ張られ転倒、打ち所が悪くてすぐに衰弱したものと考えられる。このワイヤーの掛かり方では、ある程度の力で引っ張ればすぐに外れてしまいそうなので、前述のようなシナリオが想定される。

けいぞくはちから

これは古い考えというか、平等の原則から外れる意見であるが、狩猟においては、やはり数を獲っている人が偉い、と見なされる。

いくら偉そうに狩猟の技法を語ったところで、累積の捕獲数・出動数が少なければ、何ら説得力がない。

あるいは長年の経験があっても、最近ほとんど出猟していないとなれば、正当な主張をしても押し負けてしまう。

猟師であり続けるためには、当然ながら獲物を撮り続けていなければならない。山に入り続けていなければならないのである。

罠猟の場合、免許をとっても1,2回の猟期を経ただけで辞めてしまう、あるいはほとんど出動が無くなってしまう人が一定数いる。シーズン中に1匹や2匹獲って満足という人もいるだろうが、それだと技術はなかなか向上していかない。たくさん罠をかけて、毎日見廻って、解体処理の経験を積み重ねていけば、下手であっても下手なりに素早くできるようになったり、色々なことに気付けるようになるものである。

ひとりでできた

2018/02/12にイノシシ♀を捕獲した。罠は”しまるくん”で、ワイヤーは左前脚の副蹄の上に掛かっていた。

重量は推定で50kg弱。正月前ならもう少し太っていただろうが、冬も終盤になって痩せてきていると思われる。小型の♀なので臭くはないだろうが、捌いてみると脂の層は薄かった。

このイノシシは私1人で全ての処理を行った。私はこれまでイノシシの捕獲を認めた場合、うり坊以外は猟銃所持者である師匠を呼んで銃で撃ってもらっていたが、この日は祝日で師匠は銃猟に出てしまっており、しかも師匠は携帯電話を家に忘れていたという状況だったため、自ら殺して捌くことにした。

師匠から借りているワイヤー付き棒 (正式名称が分からない)を使い、まずはイノシシの首を括って引っ張り軽く固定、イノシシの頭を大型のスコップで5回ほど叩き脳震盪を起こさせた後、片方の後ろ足と罠のワイヤーで括られていない方の前足をそれぞれロープで別々の方向へ引っ張り固定、最後にワイヤー付き棒でイノシシの顎を括って噛み付かれないようにした上で近づき、手に持ったナイフで首の後ろに刃を入れて出血させた。

シカの場合は、ロープを適当な枝に引っ掛けて角や首にかけてやることで固定できるが、イノシシの場合は同じようにやろうとするとロープに噛み付いてちぎられることもあるので、先端にワイヤーの輪がついたこの器具がないと、ロープだけで安全に固定するのは難しい。

とりあえず、怪我なく処理を終えて一安心である。これで今猟期は、イノシシを3頭捕獲することができたので、かなり満足である。