けものとおもえず

先日、有害鳥獣捕獲をしている場所で見廻りをしていたところ、妙な状態になっている罠を発見した。罠は”だらずわな”なのであるが、弾いた状態で写真のように木に立てかけられていたのである。しかも不思議なことに、ワイヤーの輪は締まっていなかったのだ。

“だらずわな”で空ハジキがあった場合、ワイヤーが足の先の方に掛かって抜けたパターンだと、ワイヤーの輪は締まっており、ワイヤーが締まった位置にもよるが、罠を地面に固定している杭は抜かれたり抜かれなかったりしている。一方、ワイヤーが全く足に掛からなかった場合 (輪の中を踏まずにバネが弾いてしまった場合など)は、ワイヤーの輪は締まらず、罠を固定している杭は抜かれない。つまり何が言いたいかというと、ワイヤーの輪が締まって、動物の何かしらの部位がワイヤーに掛かっていなければ、罠本体 (=バネ)が設置場所から動くことは通常ありえないということである。

ところが、今回発見した罠は、ワイヤーの輪が締まっていないのに、罠本体が地面から引きぬかれ、しかも木に立てかけられていたのである。これは4足歩行をする動物の仕業とは思えない。この場所は、限られた人間しか入れないことになっている場所なので、もしその限られた人間の中の誰かが罠を踏んで作動させてしまい、罠を立てかけたというのであれば、報告が上がってくると思うのだが、そういった情報もない。

私の中で一番ありえそうだと思うのは、この場所に本来入ってはいけない人が入り込んで、罠を踏んでしまったというシナリオだが、それを確かめる手段は無い。この”だらずわな”が作動した時に跳ね上がったバネの一部が足を撃ったりすると非常に痛いと思うので、誰かが痛い思いをしたのではないかと心配になってしまう。

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