できのわるいやつ

2019/12/11にニホンイノシシ♂ (幼獣)の捕獲があった。罠は”だらずわな”で、ワイヤーは左前脚の副蹄の上に掛かっていた。

あまりにも久しぶりで嬉しい捕獲だったので、解説図 (写真2枚目)も作成したが、赤線が獣道 (矢印方向にヌタ場)、青線が罠の設置場所、緑がワイヤーの根元を取り付けていた木になる。

写真や動画では分かりにくいが、捕獲された個体は鼻の頭を怪我していた。おそらく、檻で捕獲された際に鉄格子に鼻を突っ込んだことでついた傷と思われる。捕獲の際に同行してくれた師匠には、「わしがこないだ逃したった奴や」と笑われてしまった。師匠は、私が括り罠を設置している付近も含め、一帯に檻を多数設置しているため、猟期開始後2~3週間の間に、特にイノシシ幼獣の捕獲が集中し、1日に5匹以上が檻に入ることもある。そうなると解体処理するのが面倒なので、捕獲された個体のうちで小さいものを、殺さず逃してやることがあるのだ。とはいえ私にとっては、自分の罠に掛かったイノシシということに変わりはない。

さんてんこてい

2019/9/29に有害鳥獣捕獲によるニホンイノシシ♀1頭の捕獲があった。罠は”しまるくん”で、ワイヤーは左前脚の主蹄と副蹄の間に掛かっていた。

小型の個体でワイヤーの掛かりもよく、当日は時間もあったので、銃の所持者に頼んで止め刺しをしてもらうのではなく、鈍器とナイフによる止め刺しを行った。罠のワイヤーがかかった脚の他に、脚1本と顎を括って引っ張るという、安心の3点固定である。この状態から、スパイク長靴でイノシシの頭部を踏みつければ、小型のナイフで首の付け根にある血管を切断し、出血死させることが可能である。

股間の部分にはやはりマダニが多数くっついていた。シカの場合は胴体と頭部の全体にマダニがいるイメージだが、イノシシの場合は脚の付け根付近に集中する感じである。これはおそらく、泥浴びして体を木に擦りつけたりしても、寄生者を落としにくい場所であるのが一因であると考えられる。

いっぴきいのしし

2019/9/12に有害鳥獣捕獲によるニホンイノシシ♂1頭の捕獲があった。罠は”しまるくん”でワイヤーは左前脚の主蹄と副蹄の間に掛かっていた。

冬なら70kg程度にはなろうかという個体であったが、夏なので脂肪はほとんど無かった。この場所は畑地と隣接しており、子連れのイノシシが頻繁に出没して畑を荒らしているため、捕獲して欲しいという依頼があり罠を設置していたが、子連れの一味ではなく中型の♂が掛かった。