たねをまいておく

2021年7月14日に鹿♀1頭の捕獲があった (写真上2枚、有害鳥獣捕獲)。罠は製品名不明の笠松式で、ワイヤーは左前脚の副蹄より上に掛かっていた。

ワイヤーが小径木に巻き付いた状態で発見されたが、外傷は少なくきれいな状態で捕獲することができた。

2021年7月17日には鹿♀1頭の捕獲があった (写真中央2枚、有害鳥獣捕獲)。罠は”しまるくん”で、ワイヤーは右前脚の主蹄と副蹄の間に掛かっていた。

2021年7月30日にも鹿♀1頭 (幼獣)の捕獲があった (写真下2枚、有害鳥獣捕獲)。こちらは箱罠による捕獲となる。

少し前から、檻や括り罠で使う餌としてエンバクを試しており、この個体は私にとって初めての成功例である。檻の中と周辺に、エンバクの種を撒いておくと、あとは勝手に発芽して成長し、鹿を誘引してくれる。利点としては、植物として生きている間は腐らないので、餌を交換する手間が減るということが大きい。欠点としては、寒い時期には (おそらく)発芽しないので、一度食べられてしまうと冬の間は追加できないということと、使用する場所の環境条件 (土壌や日射・降水量など)が、エンバクの生育条件を満たしている必要がある、等が考えられる。エンバクは外来種ではあるが、既に食用・飼料用として国内で多く栽培されていること、実施場所の周辺では下層にある鹿の嗜好性植物がほぼ食べつくされていること、を考えると、生態系に与える影響は極軽微であると考えている。

さんてんこてい

2019/9/29に有害鳥獣捕獲によるニホンイノシシ♀1頭の捕獲があった。罠は”しまるくん”で、ワイヤーは左前脚の主蹄と副蹄の間に掛かっていた。

小型の個体でワイヤーの掛かりもよく、当日は時間もあったので、銃の所持者に頼んで止め刺しをしてもらうのではなく、鈍器とナイフによる止め刺しを行った。罠のワイヤーがかかった脚の他に、脚1本と顎を括って引っ張るという、安心の3点固定である。この状態から、スパイク長靴でイノシシの頭部を踏みつければ、小型のナイフで首の付け根にある血管を切断し、出血死させることが可能である。

股間の部分にはやはりマダニが多数くっついていた。シカの場合は胴体と頭部の全体にマダニがいるイメージだが、イノシシの場合は脚の付け根付近に集中する感じである。これはおそらく、泥浴びして体を木に擦りつけたりしても、寄生者を落としにくい場所であるのが一因であると考えられる。

まあまあおおきい

2018/11/20にニホンジカ♂を2頭捕獲した。写真の個体は罠が”だらずわな”で、ワイヤーは右前脚の主蹄と副蹄の間に掛かっていた。もう1頭は檻で捕獲したが、写真はない。

この個体は3段角の中では小さい方であるが、私にとって久しぶりの3段角個体である。同じ猟友会支部のベテラン猟師は、ここ何年かでシカが小型化している、と言っていたが、私もその傾向は感じていた。シカが小型化している、という表現はあまり生物学的に適当でなさそうなので、正確に述べると、小型のシカが捕獲される割合が高まっている、ということである。これは、シカの成長が悪くなっているというよりは、若齢の個体が捕獲される割合が高まっている結果と考えられる。齢別の死亡率(捕獲される率)に年変動が無いと仮定すると、これはつまりシカ個体群内の平均齢も下がっているということになり、死亡率が高まっていることを意味する。