はんてんがのこる

罠にかかったニホンジカ♂ 2014/12/03、2週間前にもシカが獲れた場所のすぐ近くでまたシカがかかった。前回は2年目位の♀だったが、今回は1年目の♂である。角は生えていないが♂である。罠はオーエスピー商会のしまるくん (12cm)。前日にも罠を踏んだ跡があったのであるが、踏んだ個体の体重が軽すぎたためか、固めにセットしてあった罠は弾いていなかった。それを少し弾きやすくセットし直したところ、すぐ翌日にかかったのがこの個体である。前日と同じ個体かどうかは分からないが、非力な私でも抱えて運べる程の重さであった。罠は左前脚の副蹄より上にかかっており、理想的な弾き方であった。

ニホンジカ♂ 今回はたまたま、一眼レフを持っていたのでじっくり撮影することができた。前から思ってはいたが、シカというのは異様に耳のデカい動物である。特に子鹿ではそう感じる。頭の位置が高いこともあり、他の動物 (タヌキ、イノシシ等)と比べても音には敏感なことが予想される。しかしながら足括り罠においては、聴力に頼って罠を回避されるということはまず考えられず (標識が風で音を立てないようにすることは意味があると思われる)、より臭いに敏感とされるイノシシと比べると、ちょろい獲物ということになる。

鳴くニホンジカ♂ 何枚か撮るうちに偶然撮れたのが、鳴いているときの口を開けた状態だ。近くで鳴かれると、「秋はかなしき」などと思うより煩いという感じである。

せっちごふつかで

罠にかかったニホンジカ♀ 2014/11/20、イノシシが獲れた翌日に、今度はシカがかかっていた。前回の場所からは直線距離で3km程離れた場所である。罠は”げんごろう”の”だらず罠”で、猟期前に10個導入した罠である。これまでも使っていたオーエスピー商会の”しまるくん”と比べると設置に多少技術が必要で、猟期開始してからも、穴は踏んでるのに作動してない、等の失敗を2回もしていたので、今回この新しく導入した罠で初の獲物が得られたのは喜ばしい。

ニホンジカの脚にかかったワイヤー ワイヤーは右前脚の副蹄より下にかかっており、位置としてはギリギリであるが、ワイヤーが緩むこともなくしっかり食い込んでいた。ちなみに”だらず罠”は購入時、締め付け防止金具が装着されていなかったので、設置前に一度ワイヤーの先端を切って締め付け防止金具を入れてある。締め付け防止金具は装着が義務付けられているので、”だらず罠”のセットを買って狩猟で使う場合には注意が必要である。

括り罠の設置場所 今回罠を設置していた場所は、乾燥した砂質で非常に穴が掘りにくかったので、石などを配置してかなり不自然な造成をしてあった。左写真の赤い線で囲った部分が穴になっていて、ここを踏み抜くと穴の中にある仕掛けが作動しバネが弾く。茶色の線は、小枝を置いていた場所を表している。今回かかった罠を設置していたのは、近くに2つ罠を仕掛けた後に罠が余っているからという理由で設置できそうな場所を探しに探して最終的に妥協したような場所であり、あまり期待していなかったのであるが、まぁかかるときはかかるということである。

 今回は銃で撃ってもらうことができなかったので、持っていた刃渡り11cm程のナイフを2m程度の長さがある木の棒に糸で縛り付け、即席の槍としてそれで突き殺した。血は吹き出すというほどではなかったが、ドクドクと流れ落ち5分程で完全に死んだ。若いメスだったので肉質も比較的良く、美味しく食べることが出来た。

しかのやきにく

ニホンジカのロース肉

 今回調理するのは、先日獲れたニホンジカ (♂)のロース肉、約330g。一旦冷凍したものを、冷蔵庫でゆっくり解凍し、半解凍になった状態です。この状態だと、包丁でも薄切りにするのが楽です。ただし肉を押さえる手が物凄く冷えるので、布巾か何かを被せて押さえるといいかも知れません。肉色は濃い赤ですが、適切に血抜きされた個体です。

薄切りにしたニホンジカのロース肉

 包丁で厚さ7~8mmの薄切りにします。おそらく肉の繊維方向と垂直に切るのが吉です。解体してブロック肉にしたときに取り除ききれなかった筋や薄皮を、ここで丁寧に取ります。あとは軽く包丁の背で叩いて、塩・胡椒を振りました。

シカの焼肉で一緒に痛める野菜

 肉は別の容器に入れておいて、一緒に炒める野菜を切ります。今回は九条ネギとニラです。冷蔵庫にあった中から適当に選んだだけです。葉野菜やモヤシでも全く問題ありません。

シカ肉を炒める

 加熱したフライパンにオリーブ油をたっぷり引き、薄切りにしたシカ肉を投入します。この厚さなら、表面の色が変わった段階で食べられるはずなので、一通り赤いところがなくなるよう菜箸で裏返したりしながら炒めます。

シカの焼肉が完成

 表面の赤部分が全体の10%程度になったら、先ほど切っておいた野菜を投入し、気持ち野菜を下側に入れる感じで回して炒め、シカの焼肉が完成です。

 食べてみると、仄かに独特の香りがする以外は全くクセが無く、美味しいです。また肉質は柔らかく、噛みきれないなどということはありません。もちろん、個体や季節、また部位によっては固かったり味にクセがあったりする場合もありますが、今回調理した肉は少なくとも季節と部位が良いものだったので、美味しく頂けました。何人かの知り合いにも食べてもらいましたが、いたって好評でした。