うれしいごさん

2016年2月28日にニホンイノシシの♂を捕獲した。精肉が約40kg取れたので、体重は80kg以上あると思われる。罠は”しまるくん”で、ワイヤーは右足の主蹄の上に掛かっていた。

今年度の猟期は最初の1ヶ月こそ捕獲が多く順調であったが、その後はさっぱりで、このイノシシが来るまで1ヶ月以上、シカも含めて捕獲が無かった。京都市でシカの捕獲奨励金が支給されるのは今年度の場合、2月末日までだったので、3月に入ったら罠を回収しようと思っていたところだった。結局シカの捕獲は増えなかったのであるが、シカで4000円もらうよりも、イノシシの方が私にとっては価値がある。

大型のイノシシを解体するのは時間の掛かる作業なので、お世話になっている師匠に加え、大体いつも1,2名の先輩猟師と捌くのであるが、このイノシシを見た老齢の猟師が開口一番に、「遠くから来た奴やな」と言った。新米の私にはそう判断できる理由が分からなかったので尋ねてみると、蹄が磨り減っているから、という答えであった。言われてみると確かに、これまで獲ってきた個体と比べて主蹄が短く磨り減っている気がする。イノシシの♂成獣は今の時期、♀を求めて山から山へ移動すると言われているので、この個体も駆け巡っていたとすれば、その分蹄が磨り減ったということは考えられる。もっとも、蹄の減り具合はイノシシが活動する場所の地質や地形に大きく影響されるであろうし、どういった経年変化があるかも分からない。

ろりこんではない

罠にかかったニホンジカ幼獣♀ひゃっほーい、ちっちゃな雌だぜっ!

2015年11月30日にニホンジカの幼獣♀を捕獲した。罠は”しまるくん”である。この日は前回の記事で書いた3日連続の成獣♂捕獲があった3日目であり、つまり3日間で4頭のニホンジカを捕獲したことになる。4頭目のこいつを発見した時には正直ウンザリしたが、救いだったのは子鹿だったことである。子鹿は肉も美味いし処理も楽である。なんてったって、内臓を抜かなくても軽々と持ち上げることができるのだ。一応ロープを使って2点固定したが、ナイフは棒に括り付けず、手に持ったまま刺して放血させた。

一般に足括り罠は、動物がある程度の体重をかけて踏まないと作動しない仕組みになっているか、あるいはそのように設置されるのであるが、”しまるくん”にはこれまでタヌキやハクビシンといった中型哺乳類が掛かったこともあり、シカの幼獣ほどの体重があれば十分に作動するようだ。

↑発見時の様子

↑放血。開始3分15秒で脱糞。4分20秒でダウン

なぜかおすばかり

ニホンジカ♂ニホンジカ♂死んでしまっていたニホンジカ♂2015年11月28日から30日にかけて、3日連続でニホンジカ♂が罠にかかった。罠は28日と30日が”しまるくん”、29日が”だらず罠”であった。いずれも角が3又であるため、3歳以上であろうと思われる。

30日に獲れた個体は特に大きく角も立派であったのだが、発見時に死亡していた。お尻の肉が若干齧られていた上、鳥に突かれたのか目玉が半分無くなっていた。肉にできなかったのは残念であるが、それに加えてこれだけ大きいと、内臓を取り出して角を切り落としたくらいでは、非力な私だと引き摺っても移動させるのが困難である。仕方ないので肋のあたりで半分に切断し、前半分と後半分に分けて運んだ。

↑ 一番上の写真と同個体

↑ 2番目の写真と同個体

↑ 2番目の写真と同個体。放血