じゃすとみーと

罠にかかったニホンジカ♂の幼獣罠にかかったニホンジカ♂成獣2016/10/17と2016/10/22にニホンジカ♂を捕獲した。罠は”だらずわな”で、ワイヤーは前者も後者も左前足の副蹄より上にかかっていた。17日に捕獲したのは今年生まれたばかりの幼獣であったが、22日の方は立派な♂であった。今年度はこの場所で11頭捕獲したことになるが、♂の成獣は2頭目であり、これまでは♀の成獣と幼獣ばかりであった。そろそろ交尾シーズンに入って♂も活動範囲を広げているということであろうか。

幼獣の方は足がそもそも短いということもあろうが、副蹄より上にしっかりとワイヤーがかかったということは、こちらの意図通りに獣が落とし穴を踏みぬき、きちんと”だらずわな”が作動したことを示しており、とても嬉しい。

まだまだいるよ

16100201161006016月から9月の間に既に7頭獲れている場所であるが、動物愛護週間を挟んで10月に入っても順調にシカが捕獲されている。2016/10/02と2016/10/06にニホンジカ♀が捕獲された。罠は笠松式と呼ばれるタイプである。ワイヤーは前者が左後足の副蹄より上に、後者は左前足の副蹄より上に、それぞれかかっていた。

上の写真には、シカの首にワイヤーをかけて引っ張るための器具が写っている。先端にワイヤーの輪がついたこの棒は便利な代物であるが、私は所有しておらず、また私が見廻りに使う二輪で運ぶのは面倒なので、自分一人で罠に掛かったシカを殺す際は、ロープを使っている。ロープをシカの首にかけるには、ロープの端に引っぱると締まる輪っかを作っておき、林内におちている長い枝の先端に引っ掛けて、そっとロープの輪っかにシカの頭を潜らせる。あとはシカの動きが制限されるように引っ張って、ロープを張った状態で丈夫な立木に巻きつけて結ぶ。まぁわざわざ書くほどのことではないが。

ぽんぽこさくご

くくり罠で錯誤捕獲されたホンドタヌキ1609110216091103有害捕獲のため設置していたくくり罠で、2016/09/11にホンドタヌキが掛かっていた。

2年程前にも別の場所でタヌキが掛かったことがあったが (参照: さくごほかくぽん – 狩場の馬鹿力)、今回も錯誤捕獲となる。

前回は2人がかりでワイヤーを脚から外し、タヌキを逃がしたが、今回は1人で行ったので、その模様を紹介したいと思う。

今回、タヌキが掛かったのは、押バネを使うタイプのくくり罠だったので、とりあえず輪とは反対側の留具を開放した。しかし、くくり金具がきちんと機能しており、それだけでワイヤーの輪は緩まず、タヌキも逃げることはできない。

そこで、バイクに積んであった古いレインウェア(下)を使うことにした。既に何箇所か穴が開いていて、防寒ぐらいにしか役立たなくなっている。これをタヌキの頭に被せて大人しくさせる作戦である。

そこら辺に落ちていた木の枝を使って上手いことレインウェアをタヌキの頭に被せてやると、それまで唸ったり噛み付いてきたり (芯入りの安全長靴なので被害なし)していたタヌキが、驚くほど無抵抗になった。そこで、片足で肩の辺りを軽く押さえつけながら、ペンチを使って左前脚に掛かっていたワイヤーを緩め、脚から外した。レインウェアを被せた後は、全く暴れることが無く、スムーズに外すことが出来た。

しかも、ワイヤーを外して押さえつけていた足をどけたら、すぐに勢い良く逃げていくかと思いきや、タヌキはしばらく動かず、被さっていたレインウェアを棒でよけたら、しばらくしてやっと逃げていく、という悠長さだった。布で頭を覆って目隠しするのは相当に有効なようである。

こうして、タヌキにほぼ触ること無く (レインウェア越しに軽く踏んだだけ)、タヌキを開放することが出来た。猟期中であったとしても、私にとってタヌキは狩猟対象でないので、今後もタヌキを開放させる必要は生じてくるだろうが、今回の手順で行っていこうと思う。

↑罠にかかったホンドタヌキ

↑ワイヤーを外したのに気づかず、寝転ぶホンドタヌキ