しかのやきにく

ニホンジカのロース肉

 今回調理するのは、先日獲れたニホンジカ (♂)のロース肉、約330g。一旦冷凍したものを、冷蔵庫でゆっくり解凍し、半解凍になった状態です。この状態だと、包丁でも薄切りにするのが楽です。ただし肉を押さえる手が物凄く冷えるので、布巾か何かを被せて押さえるといいかも知れません。肉色は濃い赤ですが、適切に血抜きされた個体です。

薄切りにしたニホンジカのロース肉

 包丁で厚さ7~8mmの薄切りにします。おそらく肉の繊維方向と垂直に切るのが吉です。解体してブロック肉にしたときに取り除ききれなかった筋や薄皮を、ここで丁寧に取ります。あとは軽く包丁の背で叩いて、塩・胡椒を振りました。

シカの焼肉で一緒に痛める野菜

 肉は別の容器に入れておいて、一緒に炒める野菜を切ります。今回は九条ネギとニラです。冷蔵庫にあった中から適当に選んだだけです。葉野菜やモヤシでも全く問題ありません。

シカ肉を炒める

 加熱したフライパンにオリーブ油をたっぷり引き、薄切りにしたシカ肉を投入します。この厚さなら、表面の色が変わった段階で食べられるはずなので、一通り赤いところがなくなるよう菜箸で裏返したりしながら炒めます。

シカの焼肉が完成

 表面の赤部分が全体の10%程度になったら、先ほど切っておいた野菜を投入し、気持ち野菜を下側に入れる感じで回して炒め、シカの焼肉が完成です。

 食べてみると、仄かに独特の香りがする以外は全くクセが無く、美味しいです。また肉質は柔らかく、噛みきれないなどということはありません。もちろん、個体や季節、また部位によっては固かったり味にクセがあったりする場合もありますが、今回調理した肉は少なくとも季節と部位が良いものだったので、美味しく頂けました。何人かの知り合いにも食べてもらいましたが、いたって好評でした。

おにくのかんり

シカ肉

 私が共同で設置していた罠にニホンジカがかかった。檻1+括り罠5という構成だったのだが、同日に檻と括り罠で1頭ずつ計2頭の捕獲である。

 私は捕獲時に参加できなかったので罠にかかっている写真などは撮れなかったが、肉だけは分け前を貰ってきた。

 以前、猟期にイノシシが獲れたときは、肉を300-500g程度に切り分けて、適当なビニール袋 (コンビニのレジ袋等)に入れて冷凍したが、今回からはZiplocに入れることにした。もっと良いのは真空パックに入れることだが、機械も高いし専用の袋が必要でそこまでの投資をしていいものか不安である。まぁレジ袋でも3ヶ月くらいの保存には十分耐えるので、より密閉性と見栄えのいいZiplocなら3ヶ月程度で食べきる分には何も問題なかろうと思う。ちなみに写真の袋はZiplockフリーザーパック大で、前足を解体して出た100~300gの塊が複数、合計して830gの肉が入っている。この大サイズなら完全なブロック状でも1.5kg、少し細かい塊であれば合計2kgは入ると思う。一旦冷凍してしまうと、解凍は袋単位になるので、個人で食べる分はより少ない量で一袋とし、袋のサイズも小さいものが適していると思う。

 袋には、日付、動物の種類、雌雄、肉の部位、捕獲方法、重量、シリアル番号を書いている。写真の袋の場合、シリアル番号は140629DM101となっているが、これは
|6桁日付|”D”eer|”M”ale|同日に獲れた性別の同じ個体の中での番号1桁|袋の番号2桁|
となっている。これなら、同じ日に雄だけで10匹以上獲れるとか、1個体から100袋以上の肉がとれるとかしない限り、番号が被らないようにできる。このシリアル番号を最初の列に持ってきたスプレッドシートを作り、袋に書いたような情報や、肉の保存場所、用途などを記しておけば、肉を袋単位できちんと管理できるだろう。

 肉の保存場所については、当然自宅の冷凍庫にも入れているのだが、学生の一人暮らしで使っているものなのでそれほど沢山の肉を収容できるわけではない。そこで今回からは、以前より計画していた分散肉保存システムを導入することとした。まぁ簡単に言えば他人の家にある冷凍庫に間借りするのである。冷凍庫に2~3kg分の肉を入れられるスペースが空いている人は多いので、そこに預けてしまうのだ。自分の冷凍庫に15kg分くらいの容量があるとして、5人に3kgずつ渡せば、合計30kgも冷凍保存できてしまう。当然、冷凍庫を貸してくれる人の分け前も用意する必要があるので、預けるときは例えば1kgは当人が食べていいが、2kgは保存しておいてくれ、といったように頼める。シカ肉の価値はきちんと血抜きされた良い部位で500円/100g程度であり、預け先の人がその価値を50円/100gぐらいにしか認識していなかったとしても、1kgぐらい渡せば冷凍庫の電気代分ぐらいは余裕でペイできる。ここにおいても、前述したシリアル番号による管理は役に立ち、スプレッドシートに預け先情報や用途を書いておけば良い。

やみのかりうど

ウシガエル 夜の高野川でウシガエル狩りをしてきた。成果は写真の1匹 (♂)のみだが、比較的大型の個体であり、写真も撮れたので満足である。

 ウシガエルの捕まえ方は、ライトで照らしながらそっと近づき一気に手掴み、である。ウシガエルは相当な力で逃げようとするので、掴むときには一切の妥協が許されない。また素手では滑る可能性が高いため、滑り止めのついた作業用手袋を着用するのがよい。シンプルな捕獲方法ではあるが、サーチ、アプローチ、そしてキャッチ、といずれの段階でもある程度のスキルが要求される。

 ウシガエルは特定外来生物に指定されているため、生きたままの輸送が禁止である。その場で殺してから持ち帰る必要がある。現場でできる簡便な殺し方としては、ウシガエルの足を掴んで頭を岩に叩きつけるという方法がある。ただし生半可な衝撃だと、一旦はひっくり返るものの、蘇生することがあるので注意が必要だ。

 持ち帰ったウシガエルは一旦冷凍してから捌くと皮が剥きやすくて楽である。

 ちなみに、写真のウシガエルを捕らえるため慎重に足を運んでいた私の横を、ヌートリアがゆったりと泳いでいたのだが、そちらは撮影できなかった。また、鳴いているウシガエルを探して土手を自転車で走っていたときはシカの親子 (♀成獣 + 生まれたばかりと思われる幼獣 + 雌雄不明な成獣)を目撃したが、こちらも目が光っているのしか写っていない写真のみで、シカの姿は捉えられなかった。