こしがいたいのに

2017/05/08にニホンジカ♀を有害鳥獣捕獲のため個人で設置した罠で捕獲した。罠は”だらずわな”で、ワイヤーは右後脚の主蹄と副蹄の間に掛かっていた。2日前にイノシシを捕獲し、それの運搬や解体で腰を痛めていたところで、なおかつ愛鳥週間 (5/10-16)の前に罠を無効化しようとした日に、新たな捕獲をしてしまった。

今回捕獲した♀は、腹のなかに胎児がいた。シカの胎児については、以前の記事、あらたなめをつむ – 狩場の馬鹿力や、すこしおおきく – 狩場の馬鹿力でも紹介したが、この2つの記事で紹介したのは、いずれも2月に捕獲した個体の腹に入っていた胎児であり、体毛も生えておらず、今回写真を撮ることができた胎児とは全然状態が違う。

この胎児の大きさや毛の状態から見て、2,3日以内に生まれる予定だったとしても不思議ではないだろう。蹄の色が薄いことと臍の緒が付いていることを除けば、立派な子鹿である。♀シカはもう少し奥山の方で子を産んで、それから里の近くに降りてくると思っていたが、この程度の胎児を宿した個体が割合集落に近い所を移動していたというのは、私にとっては新たな発見である。

ひとりでとれば

2017/05/04にニホンジカ♂を有害鳥獣捕獲のため個人で設置した罠で捕獲した。罠は”しまるくん”で、ワイヤーは左前脚の主蹄と副蹄の間に掛かっていた。ワイヤーの先端を括ってあった木に足ごとワイヤーが絡まってしまっており、可動範囲は狭まっているが、足の骨が折れているため皮だけで繋がれた状態である。急ぎ角にロープを掛けて固定し、差し止めを行った。

私は免許取得1年目で有害鳥獣捕獲の許可も頂いたので、有害は今年度で4年目になる。しかしながら、これまでの有害で捕獲した個体は、全て他の従事者と共同で設置・見廻りをした罠だったので、個人での有害捕獲は初である。捕獲頭数に応じて支払われる補助金は、共同で捕獲すると参加者数で割った金額しか懐に入ってこないが、個人で獲れば全額ゲットである。もちろん共同で従事することにはメリットもあるのだが、全員が均等に働くことはなかなか期待できないし、かといって各自の仕事量を正確に把握するのは困難で、金の分配で揉めることもある (経験済み)。その点、個人でやるのは気が楽である。まぁこの先も、共同でやる分は無くならないのであるが、個人で獲って得た金と肉がある程度あれば、共同従事分の分配でがつがつする必要が無くなる。

ちなみに、京都市の有害鳥獣捕獲従事者証には、今年度 (H29年度)から、捕獲個体の処理方法として「自家消費」が認められることが明記されるようになった (これまでは「埋設」のみ記載)。ちょうどシカ肉の在庫が切れたところだったので、今回捕獲した個体からはロースとモモ肉を切り取って自家消費のため持ち帰った。

しかにけられて

2017/01/31にニホンジカ♀を捕獲した。罠は”しまるくんL”で、ワイヤーは右前脚の主蹄と副蹄の間に掛かっていた。ここまで”しまるくんL”で3頭のニホンジカを捕獲したが、全て主蹄と副蹄の間にワイヤーが掛かっていた。バネの弾きとワイヤーの締まり具合で、”しまりくん”よりも括る位置が下になる傾向が確かにあるのかも知れない。

今回は首と後脚の両方にロープを掛け、括り罠のワイヤーと合わせて3点で固定してからナイフで首を刺し放血させた。ところが、後脚に掛けたロープの締りが緩かったせいで、ナイフを刺した時に脚がロープから抜け、私の腕を蹴られてしまった。幸い怪我はなかったが、今後はより気をつけようと思った。斜面を駆け上がるシカの原動力である後ろ脚のキックは、小さい♀であってもかなりの力がある。